« 2009.6.2 "sc journal" 掲載blog 49 | メイン | 2009.7.1 "sc journal" 掲載blog 51 »

2010.12.28

2009.6.22 "sc journal" 掲載blog 50

緑の庭に想う
地方都市という事もあるが、緑豊かな住宅地に建つ家々には、比較的大きな庭がある事が多い。
春になると、それぞれの庭が華やかに彩られ、夏には深い緑と蝉の鳴き声に覆われる。
どのお宅もきちんと庭の手入れをしているようたが、ハナミズキや桜、松など... 立派に育てたシンボルツリーを持つ家は、年に二、三度、庭の手入れの為に造園業者を入れている。らしいという事が、引っ越して来て約5年の間に分かって来た。
庭をきれいに保つためには想像以上の時間と労力が必要で、「多分自分達には無理だろう...」と、庭の植栽面積を極力小さくまとめた我が家の庭でさえ、ちょっとした花や植木の手入れ、雑草取りに結構な時間を取られてしまう。と言ってもやり始めると楽しくて、気持ちを切り替えたい時など、これがとても良い作業なのであるが...。
つい先日も、お隣の家に庭の手入れのための業者さんが来ていた。(造園業者と言うには少しばかりカジュアルな感じ。)毎回来るこの業者さんは、見た目にもベテランのカップルで、おそらくご夫婦なのだと思うが、いつも手際よく雑草の処理をしたり植木を剪定したり、息の合った感じが見ていてとても気持ちがいい。
今回の一枚は、その二人が手入れをしている庭で、休憩しているところを撮らせていただいた。
ヨーロピアンスタイルのガーデンファニチャーで、お茶をしながら話に興じている様子にとても惹かれてしまったのである。
あくまで私の勝手な想像であるが、二人はいつも一緒に汗を流し働き、少し休んで会話し、お弁当を食べてまた庭をきれいにするために体を動かす。作業が終わると、切った枝と道具を軽トラックに積んで颯爽と帰って行く。そして二人が去った後には、きれいに整った庭と、お隣の奥さんも、その美しい庭の緑を借景のように窓から眺めさせてもらっている私の中にも「すがすがしい」気持ちが残る。
二人が休憩時間を過ごす何気ない姿からは、長い時間をかけて培ってきた、信頼や労りなどといった想いを内包する「呼吸」のようなものが感じられ、漠然とではあるが、暮らしや日々の営みの「シンプル」である事、「ベーシック」である事の良さ、みたいな物を感じたのである。(うの)

090622