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2010.12.27

2009.1.23 "sc journal" 掲載blog 39

ブルーフレーム
私の仕事場は南側に大きなガラスの引き戸、というか壁全体がガラスのようになっているため、太陽さえ出ていれば真冬でもとても暖かな空間である。
そんな仕事場でも、曇天や雨の日、ひと冬に何度かあるかないかの雪の日(写真)そして夜の仕事の時には、気に入りのアラジンストーブに火を入れる。
色もフォルムもクラシックなストーブの胴の部分を倒し、ダイヤルをまわして芯を繰り出す。マッチから火を移すとオレンジ色の炎が芯にそってゆっくりと円を描く。胴を戻して芯の出具合を調節すると、炎が青く安定してくる。美しく、静かに燃える青い炎。アラジンのストーブが「ブルーフレーム」という名を持つゆえんである。
季節の始まりに芯を削ったり、その都度マッチで火を付けたり、微妙な調節が必要だったり... 暖房効率を考えても必ずしもベストな選択とは言えないアラジンのストーブ... でも、いいんですよ、これが。
冷えた手をそっとかざしたり、足の裏が冷たく感じる時はストーブに背を向けて、足の裏を暖めたり。まったく愛おしい「青い炎」。
私が住む地域では、最近新築される家に薪ストーブ用の煙突のある家を多く見かける。
アラジンと比べても数倍手のかかる薪ストーブがなぜこんなに人気なのかは良く分かるような気がする。
日本では囲炉裏の周りに、欧米では暖炉の前に、未開の地ではたき火を囲んで...、一日の終わりに人々は炎を囲みながら、大切な時間をゆったりと過ごして来た事の名残りなのだと思う。
この季節多少寒くても、曇っていたり、冷たい雨や雪が降っている時のほうが嬉しく感じる時がある。 南側のロールスクリーンを全て開けて、アラジンのストーブに火を入れて...。窓の外を眺めながらケトルがカタカタ鳴る音を聞いていると、何かいいアイデアが浮かんできそうな気がする。(うの)

090122