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2010.12.27

2008.7.31 "sc journal" 掲載blog 20

仮想季節とリアルな体験
梅雨も明けて夏真っ盛りである。
今年の夏もそれは厳しく、ギラギラと照りつける太陽はその射程距離にある全てのものを焦しつくす... ような勢いである。
日中の体感温度は、天気予報の「本日の最高気温」よりもたいてい5度くらいは高い。
各地の気象台が計測する「気温や湿度」を計る計器はどこに設置されているのだろうか。もし、小学校の時に校庭の片隅や図書館の脇で見た「百葉箱(たいてい白くて風通しの良さそうな木の箱)」のようなものの中にあるのだとしたら...、テレビで予想最高気温が真夏日の32度と言っていたら、実際は37度の酷暑日になると思った方が良い。
仕事場の窓の外には夏の風景がひろがり、ジージーと油蝉の音を聞きながら...  秋から冬の情景をイメージするコピーを考える。と同時に年末からお正月にかけて使用されるカタログのイメージをどうしようか考える。と同時に次の春夏のコレクション用招待状をデザインする... 。
グラフィックに限らずものづくりや企画・生産に関わっていると、リアルタイムとは全く別の「季節感」を表現しなくてはならない事が多い。
だから最近は昼はほとんど窓のスクリーンは降ろしたままにしている。夜だと目から入ってくる情報が極端に減るので、「仮想季節」に身を置く事が比較的容易にできる。それでも時々「これは秋冬だよね」「これって次の春夏用だよね」「ちなみに今は夏だよね」とひとり声に出して言わないと頭が、実際の季節なのか、仮想季節なのか混乱してしまう事がある。
いずれにしても、ヴィジュアルであれ、言葉であれ、プロダクトであれ「季節感」を表現するためには、それぞれの季節をきちんと感じ、味合わい、慈しみ、自分の中に体験として取り込まなくてはならない。
だから... せめてオフの時は(出来るだけオフを多く取って)、自然の中で、街で、季節を感じ、遊ぶ事がとても大切だと感じる。 さあ皆さん、外に出ましょう。とは言っても、出来るだけ日中は避けて、熱中症、紫外線対策をちゃんとして...。(うの)

080731