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2012.02.22

最高のセットアッパー

週に2日、午後の2時間だけ開いている近くの公民館の図書室から月曜日に本を借りてきます。
自分用の小説を2冊と子供用の絵本を3冊。(妻は出来るだけ目を休めるために読書自粛中)
返却までの2週間にちょうど2冊を読み切るペースですが、思ったより読み易くて早めに読み終わってしまった時や、読み始めてすぐにやめてしまったりした時、図書館が開いている時間に行けなかった時などは、次の図書館の日まで少し時間があいてしまうことがあります。

そんな時に登場するのがいわゆる中継ぎ、セットアッパーです。
基本的に図書館から借りて来る本は、現実からの逃避が目的ですから、長編小説がほとんどです。しかし、セットアッパーの役割りはあくまで「繋ぎ」なので、自宅の本棚から短編小説や、エッセー集、実用書などをひっぱり出して読む事になります。
ところが、このセットアッパーに気付かされる事、気持ちをリセットされる事が結構あるんです。
前にも読んでいるのに... 多分その時も読みながら「ウン、ウン、そうなんだよなー。」とうなずいていたはずなのに、さらに深くうなずいてしまったりする事が多々あります。

そこで、今回はそんなセットアッパーの1冊をご紹介。

「ロスチャイルド家の上流マナーブック」ナディーヌ・ロスチャイルド 著 伊藤緋紗子 訳(光文社)
お世話になっている方から「読んでみるといいよ...」とお借りしている本です。
単なるマナーブックではなく、また、上流階級や社交界を上手に生きるためのマニュアルでもなく、さらには女性に限らず...、他人に不快感を与えることなく、心豊かに、品格を持って生きるためのヒントが詰まった本なのです。

先日手に取って感銘を受けた部分をそのまま抜粋させてもらうと...(少し長いですが...)


 “まずあなたは外見で判断されます。
伝線したストッキング、手入れされていない爪、すりへった靴のかかと、つやのない髪、皺くちゃのシャツブラウス、派手なアクセサリー、挑発的な香水などから、あなたが身なりにかまわない、あまり洗練されていない人と判断されるかもしれません。
 同様に服の選択もあなたの人格を表しています。野心家は赤と黒を、ロマンティックな女は白とグレーを、子供っぽい人はピンクとブルー、コケティッシュな人は、腿の中央までスリットの入ったスカートや、視線がつい行ってしまうデコルテに身を包むでしょう。
本当にエレガントな人の服装については、人はあとで思い出せないものです。なぜなら、装いひとつの洗練性は、その控えめさからくるからです。
 あなたの振舞いについても人は判断します。あなたのしぐさや話し方はすぐにあなたという人物を出してしまいます。
 低俗さは、ほかにどんな長所があろうと耐えがたい唯一の欠点です。が、低俗さは、運命的なものではありません。あのバーナード・ショウの『マイ・フェア・レディ』もひどい発音の花売り娘が、ピグマリオンによってみごとな物腰とイントネーションの貴婦人に変化することができました。
(中略)そして結局、各人の選択の結果はみずからが背負うことになるのです。
 人は自分の名、財産、地位を失うことはできます。しかし、決して失うことがないのは、自分が受けた教育です。
 では、初対面の相手が「よい育ちの人間」と、どこで判断するのでしょうか。
●声の調子、表現の仕方。
●装い。
●振舞い。
●どのような状況にあっても示される控えめさ。
●礼儀正しさ、やさしい思いやり。
●セルフコントロール
●安定した精神状態(お天気屋さんではないこと)。
●そして、とりわけ自分自身、そして他人にたいする尊敬なのです。”


特に最後の部分は、「よい育ちの人間」と思われるかどうかということよりも、仕事でも遊びでも、日々の暮らしにおいて他人と接する時に「自分はこうありたい。」というひとつの指針になっています。
かくして今現在、自分にとってどの部分があてはまるか客観的に見てみると... 悲しいかな、仕事において極端に控えめになる、という事以外ほとんどあてはまっていません。
育ちの良さ云々以前に、人として、大人として、まだまだらしいです。(泣)

120222

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