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2010.12.27

2008.6.25 "sc journal" 掲載blog 15

嬉しい “Handwritten Message”
今ほどインターネット通信やデジタルでの情報のやりとりが盛んではなかった頃には、時折り友人や知人からポストカードが届いた。
海外旅行先からのカードは、訪れた事はないが良く目にする風景で少しキッチュなイメージなものが多くて、でもそこに書かれているメッセージに温かいものを感じた。アート系のポストカードや自分で撮った写真をカードにしたものにしたためられた、ほんの数行でまとめられた近況報告...。それらはどんなものであっても「もらってうれしいもの」だった。
自分でも美術館へ行ったりすると、必ずと言っていいほどミュージアムショップで気に入ったポストカードを何枚か購入し、ストックしておいたものだ。
先日、生活環境におけるひとつの節目を迎え、気持ちを新たに仕事に取り組もうと「バッグ」を購入した。仕事用とはいえ、ブリーフケース的なものを持つ必要はまったく無かったので、スタイル重視で、ショップスタッフの意見を聞きながら迷いに迷い、最終的に購入したものはとても気に入ったものになった。
そして数日後、そのショップから届いたポストカードには、肉筆で、バッグを買ったことへのお礼、購入したバッグに関する補足的な情報が丁寧な字で書かれており、最後は「お近くにお越しの際には是非お立ち寄りくださませ。」と結ばれていた。
おそらく書き慣れたフレーズ、いわゆる販促的な要素の強いメッセージカードなのかもしれないが、一文字一文字丁寧に書かれた文字や、買ったバッグのイラストまで描いてあるのを見て、単純に嬉しく感じ「また行ってみよう。次はキーホルダーでも買ってみようかな...。」と思った。
このメッセージを書いてくれたスタッフ(接客してくれたスタッフに間違いないと思う)は、数日前に訪れた客を思い浮かべながら書いたはずで、メッセージを読んだ私も、その時接客してくれたスタッフを思い浮かべながら読む。
同じ手書きのメッセージでも、思いが伝わるものは実際に思いを込めて書いているのだと思う。たとえそれが書き慣れたフレーズであっても。そしてそれはきちんと受け手に届くもの...だと思うのである。
先日、5つ前の記事「William Morris展」を読まれた方からメールをいただいた。
その方もWilliam Morrisのデザインが好きで、私の記事を読んで軽井沢での企画展にも行ってみたいと思い、もし行ったら報告のメールを送っていただけるとの事だった。 そして一昨日、その方からメッセージが届いた。William Morrisのポストカードで。いつもの郵便配達のお兄さんがカブに乗って運んで来てくれた。
メールが届いた時が最初の嬉しいサプライズ。そのうえポストカードを送ってくれるなんてさらに嬉しいサプライズ。二つのサプライズは間違いなく、私に「いい気持ち」を一緒に運んで来てくれた。 merci(うの)

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