2008.10.3 "sc journal" 掲載blog 27
赤と青の鉛筆
先日、大好きな作家の随筆を読んでいる時にふと、覚えておきたい表現やフレーズを「マーク」しておきたいと思った。
今までは別の紙にメモしていたのだが、文庫本化された随筆/エッセイに「線」を入れようと思ったのはこれが初めてである。
仕事関係の書類や、いわゆるテキストブック的なものに「マーク」するのであれば、手元にある蛍光マーカーのようなものを使えば良いのだが、ちょっと違うだろう... と感じた。
そこで、文庫本のベージュ色の表紙を見ながら少しの時間考えて浮かんだのが、「赤と青に半々に色分けされた色鉛筆」である。
早速購入してきたTombow印のその鉛筆をカッターで削ってみる。赤の部分に「VERMILION」、青の部分には「PRUSSIAN BLUE」と書いてあり十分レトロな雰囲気もあるが、刷り込まれた細身のバーコードがさりげなくモダンで、文庫本の上に置いた時の存在感がとても雑貨風でよい感じである。
バッグからおもむろに取り出した文庫本に、栞代わりに挟んである青と赤の鉛筆...。
少し傷むかもしれないが、本とのこんな接し方も、作家や文章に対する愛情表現のひとつとしては「あり」なのではなかろうか。(うの)