百足(ムカデ)が出た。
ある晩、虫たちが集まってパーティーをしていた。
酒が無くなってしまったので、じゃんけんに負けたムカデが買いに行く事になった。
しかし、1時間経っても、2時間経っても帰って来ない。
心配になったカブトムシが探しに行こうとすると、
玄関でまだ靴を履いている途中のムカデが居た... 。
子供の頃に聞いたような、聞かなかったような...。
何となく覚えているのは、最後のムカデが靴を履いているというオチの部分のみ。
つい先日、外出しようと思って玄関の扉を開けた時、ボトッという音とともに顔をかすめて足元に落ちて来た。
体長15センチくらいの正真正銘の肉厚のムカデ。
今までもゲジゲジは良く出没していて、リビングでゴロゴロしていた時に首の辺りを這われた時は飛び上がったが、ムカデの存在感はスゴい。もしかしたら初めての遭遇かもしれない。
奴は“一匹ムカデ”だったのだろうか、それとも、家族とか、仲間とか居るのだろうか...。
妻の母にこの話しをしたら、「そうなのよね。たいがい扉の上から落ちてくるのよね。」と言っていた。
実は、仕事場でもやはり似たような現象に困っているのである。
よほど居心地がいいのか、仕事場の扉の上のわずかな隙間におおぶりの「蛾」がよくいらっしゃるのである。先日も仕事をしていると、洗濯物のチェックに出ようとしていた妻が「ギャーーー!」と叫びながら、ものすごい早さで後ずさりして来た。
何が怖いって、全くの無防備状態の時に聞く妻の叫び声が何より一番怖いのだが、こればっかりは攻めては可哀想。
確かに妻が指差す先には、大きめの蝉くらいの、ステルス戦闘機のような黒い物体が這いつくばっているのである。その上こいつが飛ぶときは、バサバサを音をさせて、鱗粉をまき散らしながら飛び回るのだからたまらない。
自然豊かな場所に住んでいる訳だし、ムカデにしても、蛾にしても、彼らには何の落ち度もないのだが...。
怖いものは怖い。気味悪いものは悪い。
我が家では、扉を開ける時には、上を見ながらそーっと開けるのが鉄則である。