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2010.12.27

2008.4.30 "sc journal" 掲載blog 08

容器 with style

シンプルさゆえに他の日用雑貨を圧倒する存在感
必要とされる機能を備え、ムダを徹底的にそぎ落としたフォルム
伝統が醸し出す「たたずまい」の美しさ
ブランドに感じる強い信頼感

“主にキッチンで食品を入れておく、または保存する容器”という単純な用途なのに、これほど愛着を覚え、見るたびに「あー、きれいだなー」と思わせる雑貨はあまり多くありません。
Weckは、おもむろに取り上げた時に、乗っているだけのガラスの蓋が「カタカタ」と音をたてる感じがとても好きです。キチっとしている印象とはうらはらの、いい感じの「ゆるさ」。別売りのゴムパッキンや金具を使えば煮沸保存ができるほどの堅牢で優れた機能も、ジャムやコンポート、トマトソースなどを入れられるや、色、素材感をガラス越しに見せ、「あくまでも主役は中身ですから」と言わんばかりの謙虚なイメージに...。
一方、野田琺瑯に感じるのは、「やさしく、大切に封じ込められている」感覚。金属とガラス質の釉薬の層で、その風味や香りを大切に守られる食品たち。例えば、コーヒーの粉を入れておくと、プラスチックの蓋を端からはがすように開けた時、いままで封じ込められていた香りが溢れ出してきて、思わず鼻を近づけて香りを楽しんでしまう。そんなイメージ。

厚手のガラスと琺瑯(ほうろう)、ドイツ代表と日本代表。どちらも自分の存在意義をもっともシンプルな形で表現しているというところに「優れたデザイン性」を感じます。何よりも目を引き、注意を引くシンプルな存在感...。そんなWeck & 野田琺瑯すごくいい。重ねて置いたところも美しい。(うの)

080430