2008.4.2 "sc journal" 掲載blog 04
bol
いわゆるカフェオレボウルの事をフランスでは「bol」(英:bowl)と呼ぶらしいです。
その丸みのある、手のひらにすっぽりと納まる形が見た目にも心地良く、我が家でもいつくか愛用しています。
日本では「カフェ・オレ」という名称が付くためにいかにも「カフェ・オレ」を飲むための器という印象がありますが、個人的には、実際にこの「bol」でカフェ・オレを飲む姿またはカフェ・オレを出される場面にほとんど出くわした事がありません。では、日本人の暮らしの中でどのような位置付けにあるのでしょうか...この愛らしい「bol」達。
余談ですが、食器棚を見ていて気付いたのですが、この「bol」、我が家で愛用している深川製磁の「小丼」に形の印象が結構似ています。シルエットだけでなく、時に手で持って口に運ぶといった、使用に関わる動作も似ています。そもそも日本人にとって、馴染みのある形状というか、存在感...。そんなところに、フランスからやって来た「bol」が日本人に受けられやすい理由があるのでしょうか。(bolに関して興味のある方は、山本ゆりこ著「Le Bol カフェオレボウル」RIKUYOSHA発行をご覧下さい。美しい写真とともにカフェオレボウルについてかなり詳しく書かれています。)
このbol達、我が家でも時と場合によって様々な使われ方をしています。例えば、家族(特に子供達)が集まる時は、輸入もののチョコレート(サッカーボールとか、スポーツカーとか、コインなどカラフルなフォイルで包んであるもの)をごっそりと買って来て入れておいたり、水をはって庭で摘んだ草花を挿してみたり、あまり見られたくないものを入れて本棚の上の方に飾るように置いてあったり...。食器という枠にとらわれず、暮らしのあらゆる場面で「雑貨らしさ」を振りまく「可能性と創造性を秘めたマルチなアイテム」なんですね。
小さい写真のbolは、Studio Clipのスタッフがパリの蚤の市で購入し、運搬の途中で残念にも壊れてしまったものを譲り受け、接着剤でピースを貼り合わせ、底に穴を明けて植木鉢として使っています。いくつかあるプランターや植木鉢の中でも一番のお気に入りです。(うの)